fc2ブログ

月別アーカイブ

 2008年06月 

冨田江里子さんのお話。 

フィリピンの現状。

昨年のお話の時も「どうぞ皆さん手にとってみて」と皆に配っていた、
添加物がたくさん入ったお菓子。そして小袋になった味の素。それから粉ミルク。

フィリピンの人達はもともとは貧しく、その地でゴロゴロととれるイモを食べたりしていた、
そういう生活だった。

でも最近は政府がテレビを使って「頭が良くなるミルク」「栄養たっぷり」などど
これらを宣伝しているそう。
そしたら人々はそれを信じ、自分のおっぱいが出るのにミルクを買ったり
(しかも高いから飲み残しを捨てられない、そしてそれは腐らないくらい添加物が入ってる)
添加物たっぷりのお菓子を食べさせたりしてる。

高価なそれらを自分の子供のために。
その影響で今フィリピンでは今までなかった病気、ガンとか成人病とかそんな病気が増えているそうだ。

溶けないバター。傷まないキャベツ。今のフィリピンにはそれらがあふれている。

それらをどんなに冨田さんが「食べないで」と言っても無理で、
だってテレビで洗脳のようにその効果を宣伝してるんだからって。悔しそうだった。

フィピリンの人達に何かを教えよう、伝えようとしても
言葉の壁(冨田さんはかなりしゃべれるけど)・文化・伝統の違いで思うように伝わらないことが多い。

たとえば、どこかの先進国の団体が何かを教えようとしても
(出産立ち会いのときは手袋をはめるとか、初産で生まれにくいときの対処とか)
現地の人たちは、その一番わかりやすい部分だけを会得して、
本当の意味でちゃんと理解してない場合も多い、と。

それでも、その団体は任期が終えたら日本やらに帰ってしまうわけで
そのあとは間違ったままの情報、やり方を延々と続けさせてしまうこともある。

あなたのそのお金でワクチンがひとつ買えます、なんて宣伝は日本でもよくやってるけど、
そのスタッフがベンツを乗り回してることだって多い。そのベンツでワクチンいくつ買えるだって。
だから、寄付するにしても、その団体のことをよくよく調べてからにしてほしいって。

その文化を尊重すること、その上で変えたらいいことを伝えること。
冨田さんに備わってるのは一直線上に見える関係だ、と思った。

決して自分が何か特別なことをしているとは見せない、
現地の人達にも決して自分がより高度なものを手にしているというふうに見せない。

たとえばこんなこと。フィリピンのあるおうちで赤ちゃんが生まれる。
お兄ちゃんたちは赤ちゃんが寝やすいように段ボールを拾ってきて
家の床に置いて赤ちゃんを寝かす。
その段ボール、拾ってきたものだからとっても汚い、でも汚れていないところもある、
なによりそれがあると床が痛くないんだ。それをちゃんとわかる。

かわいそう、ではなく、理解すること。その力を持っていることが冨田さんの魅力だと思う。

冨田さんのクリニックにはいろんな人が来る。
一人男の子の写真を見せながら、「私はなんにもできなかった」と言って
涙をこらえる場面があった。私が代りに泣いてしまいそうだった。

どうしようもない、そのこを引き取ればよかったのかもしれない、でもできない、
どうしてこの子と出会ったのか、その子は死んでしまった、どうして、出会ったのか。

冨田さんのお話は終始そうだ。
現地で生きてたくさんの人を助けて救っているのにも関わらず、
自分は本当にできることが少ないと悔しがっているようだった。

こんなにしてるじゃん!すごいよ、マネできないです!素晴らしいです、
だから少しでも応援したいと思う、私の思いはそうだけど、
冨田さんはきっと現地で「どうしたらいいんだろう、もっと変えたい、もっと助けたい」って
きっと日々悔しく思う事の方が多いのかもしれない。

でもそれは一定のことを一定の期間でやって
さも貢献しましたとアピールする団体よりも信じられると思った。


冨田さんのクリニックは閉鎖することになるかもしれない。
このままいけばいつか閉鎖に追い込まれる、資金が足りなくなるからだ。
この国で生きていたら、フィリピンで起こっていることなんて遠いかもしれない。
それがどうしたって出来事かもしれない。
でも確かなことは、冨田さんのクリニックがなければ貧困層の人こそが困るってこと。

そしてその貧困層を作りだしたのは先進国と呼ばれるこの国にも責任があるってこと。
そんな大それた理由など必要ないかもしれない、もっとシンプルに
私にもあなたにも出来る事があるってことをわかってほしい。

冨田さんのブログを紹介しておきます。
まずは納得するまで知ること、疑問があるなら現地を訪れてもいい(来て下さいって)、
冨田さんに会うのが一番おすすめ。

最高に素敵な女性です。

富田江里子さんのブログ
http://blog.yahoo.co.jp/barnabaseriko










スポンサーサイト